「定時で帰りたいのに、会議の議事録作成が終わらない…」 「丁寧なビジネスメールを考えるだけで、30分も経ってしまった…」 「新しい企画のアイデア出し、もう何も思いつかない…」
日々の業務に追われる中で、本来もっと時間をかけるべき創造的な仕事に集中できていない、と感じることはありませんか?
もし、あなたの隣に、面倒な事務作業を一手に引き受けてくれる、超高速で正確無比な「新人アシスタント」がいたらどうでしょう。
その正体こそ、今やビジネスシーンに欠かせない存在となったAI(人工知能)です。特にChatGPTやMicrosoft Copilot、Notion AIといったツールは、私たちの働き方を根底から変える力を持っています。
今回は、数あるAI活用法の中から、特に即効性が高く、誰でも明日から実践できる「仕事の時短術」を5つ厳選してご紹介します。
1. 会議の録音データから「3分で議事録を作成」する
会議で最も頭を使うべきは、議論そのものです。しかし、実際には「聞きながらメモを取る」というマルチタスクに追われ、重要な発言を聞き逃してしまうことも。これからは、メモはAIに任せましょう。
【使い方】
- 会議をICレコーダーやスマホアプリで録音する。
- 文字起こしツール(例: aicovo, Nottaなど)でテキスト化する。
- テキスト化された文章をChatGPTに貼り付け、以下のプロンプトで依頼する。
【プロンプト】
あなたは優秀なビジネスアシスタントです。以下の会議の文字起こしテキストを読み、指定されたフォーマットで議事録を作成してください。
フォーマット:
- 会議名:
- 日時:
- 出席者:
- 決定事項: (箇条書きで簡潔に)
- 主要な議論の要約:
- 今後のTODO(担当者と期限を明記):
文字起こしテキスト: (ここにテキストを貼り付け)
これまで30分以上かかっていた作業が、わずか数分で完了します。人間は、AIが作成したドラフトを確認・修正するだけでOKです。既製品の議事録作成アプリも便利ですが、ChatGPTを使いこなせれば自由なフォーマットで出力させることができます。
2. 気を使う「ビジネスメール」を一瞬で作成する
謝罪のメール、断りの連絡、複雑な依頼…。文面に悩む時間は、実にもったいない。AIに要点を伝えるだけで、丁寧で適切なビジネスメールのドラフトを作成してもらいましょう。返信したいメールをコピペして「このメールに返信したい。返信内容を私に質問しながら考えて。」などと聞けば自分の意思をAIがくみ取っていい感じのメールを作成してくれます。
※注意:個人情報や機密情報はAIに入力しないこと!またAIが生成した文章をしっかり確認し、適宜自分の言葉で書き換えること!
【プロンプト】
以下の条件で、ビジネスメールの文面を作成してください。
- 宛先: 〇〇株式会社 部長 〇〇様
- 自分の立場: △△株式会社 営業担当
- 伝えたい要点:
- 先日依頼した〇〇の件、納期を2日早めてほしい。
- こちらの都合で大変申し訳ない。
- 可能かどうか、明日中に返信が欲しい。
- トーン: 丁寧かつ、相手を気遣う表現を多めに。
AIは、適切な敬語やクッション言葉を自動で選択し、完璧な下書きを提示してくれます。
3. 面倒な「情報収集・リサーチ」をAIに丸投げする
「競合他社の最新動向を調べておいて」。そんな指示にも、AIは即座に対応します。特に、インターネット上の最新情報にアクセスできるMicrosoft Copilot(旧Bingチャット)などがこの作業の得意分野です。
【プロンプト】
「[リサーチしたいテーマ、例:国内のSaaS業界の最新トレンド]」について、主要なポイントを3つにまとめて解説してください。その際、参考にした情報源のURLも3つ提示してください。
複数の記事を読んで要約する手間が省け、リサーチの初速が劇的に向上します。情報ソースを聞くことでAIによる誤情報や勝手な推測を防ぐこともできます。
4. アイデアに詰まった時の「ブレスト相手」になってもらう
一人で考えていると、どうしても視野が狭くなりがちです。AIを壁打ち相手にすれば、自分では思いもよらない斬新な切り口のアイデアを得ることができます。
【プロンプト】
当社は[自社の特徴、例:健康志向の食品メーカー]です。20代の女性をターゲットにした新商品のプロモーション企画のアイデアを、常識にとらわれない面白い視点で10個提案してください。
「AIが出した突拍子もないアイデア」が、会議を活性化させる起爆剤になることも少なくありません。さらに「他には?」と追加で尋ねればいくらでもアイデアを出してくれます。相手はAIなので気を遣う必要はありません。
5. プレゼン資料や報告書の「構成案」を一瞬で作る
パワーポイントやワードを開いて、白い画面を前に固まってしまう…。そんな経験はありませんか?まずはAIに全体の骨組みを作ってもらいましょう。特に、文書作成ツールに統合されたNotion AIなどが便利です。
【プロンプト】
「[テーマ、例:2024年度上半期の営業実績と下半期の戦略]」というテーマで、営業部門向けのプレゼンテーションを作成します。聞き手の興味を引くような、説得力のある構成案(目次)を提案してください。
構成案という土台があれば、あとは各スライドの内容を肉付けしていくだけ。資料作成の心理的ハードルが大きく下がります。構成案を入力するだけで簡単にスライドを作成してくれるGammaというツールを使えばものの数分でスライドが完成します(Gammaは無料で使える回数に制限があります)。他にもスライドを作成してくれるツールはあるので、ぜひご自身でAIに聞いてみてください。
まとめ:AIは「仕事を奪う」のではなく「仕事を助ける」パートナー
今回ご紹介した5つの時短術は、AI活用のほんの入り口に過ぎません。
重要なのは、AIを「思考停止のための魔法」ではなく、「自分の思考を加速させるための道具」として捉えることです。AIが作成したものは必ず最終チェックを行い、自分の言葉で、自分の責任でアウトプットする。この原則さえ守れば、AIはあなたの生産性を飛躍的に高め、より創造的で付加価値の高い仕事に集中する時間を与えてくれる、最高のパートナーとなるでしょう。
さあ、明日からあなたも「AIアシスタント」を導入してみませんか?
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